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中学2年生の数学(直線の式を求める問題)

akina03math.hatenablog.com

 

 昨日書いた記事で、1年生の内容ですがこの内容に原点を通らない話を加えると2年生の内容になります。

 

2018.11.11 編集済

 

1次関数の式を求める問題

始める前に

 yがxの1次関数である時、yは

  y=ax+b

 と書く事ができます。このaを「変化の割合」「傾き」、bを「切片(y切片)」と言います。

 変化の割合はxの増加量に対するyの増加量の値のことで、式で書くと

  変化の割合=yの増加量 / xの増加量

です。増加量の求め方は、点が(A,B)と(C,D)の2つある時、

  xの増加量=C-A

  yの増加量=D-B

です。この時、xの増加量をC-Aとしていますがyの増加量をB-Dを計算するのは間違いになります。

 

以下の例題は全て1次関数の場合とします。

例1. 直線で、傾きと切片が分かっている

 1次関数なのでy=ax+bと書けるはずです。例えば、「傾きが2で切片が1の直線」ならa=2、b=1となるのでこれをy=ax+bに代入すれば式が求まります。

 

例2. 直線で、傾きと通る点が1つだけ分かっている

 1次関数なのでy=ax+bと書けるはずです。例えば、「傾きが2で点(1,3)を通る直線」ならa=2、x=1、y=3となるのでこれをy=ax+bに代入すればbが求まり直線の式が求まります。

 

例3. 直線で、切片と通る点が1つだけ分かっている

 1次関数なのでy=ax+bと書けるはずです。例えば、「切片が-3で点(2,1)を通る直線」ならb=-3、x=2、y=1となるのでこれをy=ax+bに代入すればaが求まり直線の式が求まります。

 

例4. 直線で、通る点が2つ分かっている

 解法1. 連立方程式で解く方法

 1次関数なのでy=ax+bと書けるはずです。例えば、「点(1,3)と(2,5)を通る直線」ならx=1の時y=3、x=2の時y=5となるのでこれをy=ax+bに代入すると

 3=a×1+b

 5=a×2+b

で、かけ算を終えると

 3=a+b

 5=2a+b

となります。これを連立方程式と考えて計算すればaとbが求まるのでy=ax+bに代入すれば直線の式が求まります。計算するとa=2、b=1。

 

 解法2. 変化の割合から求める方法

 1次関数なのでy=ax+bと書けるはずです。例えば、「点(1,3)と(2,5)を通る直線」なら変化の割合aは

 xの増加量=2-1

       =1

 yの増加量=5-3

       =2

となるので、a=2/1

        =2

となります。これをy=ax+bに代入すると y=2x+b で、通る2点のうちどちらかを代入すればbが計算できます。これにより直線の式が求まります。

 

例5. ある直線に平行で、通る点が1つ分かっている

 1次関数なのでy=ax+bと書けるはずです。例えば、「直線y=2xに平行で、(1,3)を通る」なら傾きは平行な直線を同じ(最後に補足)2なのでa=2、x=1、y=3となるので、これをy=ax+bに代入すればbが求まり直線の式が求まります。

 

例6. グラフだけ分かっている

 1次関数なのでy=ax+bと書けるはずです。グラフから直線を求める方法はいくつかありますが、

 1. xとyどちらも整数(-2とか0、1や3などの事)の座標を2つ探す。

 2. 通る2点が分かったので、上の例4の方法どちらかで求める。

の流れで計算するのが一番ミスをしにくいと思います。

 

計算結果があっているか確認してみよう

 計算して直線の式が求まりました。「傾きが分数だった」「やけに大きな数字が出た」などが理由で「これ本当にあっているのかな」と不安になる時はあると思います。そして計算し直して、書きなおしてみると直す前で問題なかった、というのもあると思います。

 確認方法

 例えば、通る点が2つ分かっていてそこから直線の式を求めたとします。言葉で書くなら「2つの点を通る直線は?」「(計算した結果)y=……です」ですね。

 つまり、計算して求めた直線は絶対に2つの点を通るわけです。上の例4を使って考えてみると、

 1. (1,3)と(2,5)を通る1次関数の式は?

 2. 計算するとy=2x+1です。

 3. ならその直線のxとyに(1,3)と(2,5)を代入しても成り立つよね?

という事です。代入してみると

 3=2×1+1

   =3

 5=2×2+1

   =5

となり、成り立っている事が確認できますね。これが求めた式の確認方法です。

 

補足

 「求める直線がある直線に平行なら、傾きは同じ」という話です。平行な関係とは、「絶対に交わらない関係」という事です。説明を書いておきます。

 

 y=xに平行な直線を考えてみます。y=xは、「xが1増加したらyも1増加(xが1減少したらyも1減少)する直線」ですね。その直線と絶対に交わらない直線はxが1増加したらyも1増加(xが1減少したらyも1減少)する必要があります。つまり、傾きが同じにならないといけません。

 

 

 

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