中学2年生の数学(証明②二等辺三角形と直角三角形)
これの続きです。
二等辺三角形について
二等辺三角形と言えば、「長さが等しい辺が2つある」事は名前から想像できると思います。二等辺三角形の性質として、この他に「底角は等しい」というものがあります。底角というのは上の図でならなぜか強調されている∠Bと∠Cが底角になります。「二等辺三角形で、長さが等しい辺が無い辺の両端の角度」と思えば大丈夫です。
でも、本当に底角は等しいのでしょうか?「底角は等しい」のを証明してみて、そこから言える事について考えてみましょう。
例3. 二等辺三角形の証明問題
△ABCはAB=ACの二等辺三角形で、∠Aの二等分線を引いて辺BCとの交点を点Dとする。
1. ∠ABD=∠ACDを証明せよ。
2. ∠Aの二等分線は、底辺BCを垂直に二等分する事を証明せよ。
1.
△ABDと△ACDにおいて、
仮定より
AB=AC ……①
∠BAD=∠CAD ……②
共通な辺だから AD=AD ……③
①~③より、二辺とその間の角がそれぞれ等しいので
△ABD≡△ACD
合同な三角形の対応する角度の大きさは等しいから
∠ABD=∠ACD (証明終)
2.
1より、合同な三角形の対応する辺や角度の大きさは等しいから
BD=CD ……①
∠ADB=∠ADC ……②
直線は180°だから、 ∠ADB+∠ADC=180° ……③
②、③より 2∠ADB=2∠ADC=180°なので
∠ADB=∠ADC=90°
よって AD⊥BC ……④
①と④により、∠Aの二等分線は底辺BCを垂直に二等分する。 (証明終)
さらっと書きましたが、「⊥」は「垂直な関係」という記号です。あと、この図での∠Aを「頂角」と言ったりもします。
直角三角形について
鋭角・直角・鈍角
「90°より小さい角度が鋭角」「90°が直角」「90°より大きい角度が鈍角」です。
斜辺
直角の向かい側の辺の事です。
直角三角形の合同条件
①. 斜辺と1つの鋭角がそれぞれ等しい。
②. 斜辺と他の1辺がそれぞれ等しい。
直角三角形の合同を証明する時は、三角形の合同条件でも証明する事は問題によっては可能です。三角形の中でも直角がある三角形が直角三角形ですからね。経験上、直角三角形の合同条件じゃないと証明できない問題は存在するので覚えておいて損はありません。
例4. 直角三角形の証明問題(よく見かける図)
∠ABCの二等分線を引き、二等分線上の点Dから点AとCに線を引き∠DAB=∠DCB=90°とする。この時、DA=DCを証明せよ。
◆AB=ACなら三角形の合同条件が使えますが、この問題では分かりません。こういう時に直角三角形の合同条件を使います。
△DABと△DCBにおいて、
仮定より
∠DBA=∠DBC ……①
∠DAB=∠DCB=90° ……②
共通な辺なので
DB=DB ……③
①~③より直角三角形の斜辺と1つの鋭角がそれぞれ等しいから
△DAB≡△DCB
合同な三角形の対応する辺の長さは等しいから
DA=DC (証明終)
おまけ
証明の書き方は基本的な所は変わりませんが、合同条件を述べるまでの書き方はある程度種類があります。自分が前回から続けて書いてる書き方の他に
(辺や角度が等しい式)(仮定)
(同じ辺だから等しい)(共通)
……
以上より2組の辺と~
みたいな書き方もあります。探せば他にも普通にあると思います。これは正直言葉の使い方やそもそも式がおかしいでもない限り問題ないと思うので、不安な場合は習った通りに書くのが一番いいでしょう。