中学2年生の数学(証明問題の穴埋めと問題の考え方)
自分が住んでいる地域では数学では中学1年生は関数、2年生は合同、3年生は相似を習っている段階(学校によって少し違いますが)なので、しばらくはそれまでの内容の中で自分が中学生の時に苦手だった分野とかを掘り下げようと思います。
というわけで、「書き方がいまいちよく分からない」という人が多い分野の代表である証明問題の穴埋めをやってみましょう。3年生の人(相似で詰まっている)向けの内容も少し入れてみます。
例題を始める前に
「〇〇ならば××である」の時、「〇〇」を仮定、「××」を結論という、と習ったかもしれません。これは確かにその通りで、「ならば」の前が仮定で後ろが結論と考えるとイメージしやすいですが残念ながら毎回毎回問題文に「ならば」が書かれているなら苦労しません。
「仮定」というのは、「根拠は書かれていないけど成り立っている事」です。つまり、「問題文で成り立っている理由が書かれてないけどとりあえずそういう事になっている部分」が仮定になります。つまり、「ならば」と書く必要はないわけですね。「~のとき」や「~とすると」、「~であるなら」でもいいわけです。
例1.
上の図で、点Eが線分AC、線分BDの中点であるときAD=BCであることを証明せよ。
まずは使いそうな合同条件を考えてみよう
点Eが線分AC、BDの中点なので合同条件は「2組の辺とその間の角がそれぞれ等しい」になりそうです。よって、「2組の辺と1組の角度が等しいことを説明する」ことが目標になります。
次に、結論を述べるために合同になってほしい図形を探してみよう
使いそうな合同条件は予想できました。では、結論を述べるために合同であってほしい図形はどれとどれでしょうか?この例題みたいに見つかる図形が少ない場合は迷わないと思いますが、「見つかる図形が多い場合、結論を見て予想する」のがいいと思います。今回なら結論は「AD=BC」です。つまり、「ADを含む図形とBCを含む図形の合同を証明すればいい」のです。
少なくとも、「なんで証明問題できちんと書けるのか」と質問されたら自分は「結論を見たら書かないといけないことって分かりませんか?」と返しています。証明問題に慣れているとか、数学の実力とか関係ないです。「結論を述べるために言わないといけないのは何か?」を考えるのが証明問題攻略のポイントだと思います。これは相似の場合も同じです。
(証明)
△ADEと△BCEにおいて、
仮定より (a)=(b) ……①
(c)=(d) ……②
対頂角は等しいから
(e)=(f) ……③
①、②、③より(g)から
△ADE≡△BCE
合同な図形では(h)から
AD=BC (証明終)
(a)~(h)に入るものはあえて書きません。大事なのは答えよりも「そもそもどう書くのか」を理解する事ですから。
ちなみにこの問題では結論を辺の長さにしましたが、「錯角が等しいのでAD//BCである」事を言えたりします。「2直線が平行であるなら錯角は等しい」の逆ですね。右利きの人は右手で箸を持つと思いますが、右手で箸を持っているから右利きですよね。それと同じ考えです。
例2.
上の図で、∠ABDの二等分線を引きAD=CDとなるように二等分線上に点Dをとる。この時、AB=CBであることを証明せよ。
(証明)
△ABDと△CBDにおいて、
仮定より (a)=(b) ……①
(c)=(d) ……②
共通な辺より (e)=(f) ……③
①、②、③より(h)から
△ABD≡△CBD
(h)では対応する辺の長さは等しいから
AB=CB (証明終)
例3. 一部の答えは複数あります
上の図で、線分ADは∠BACの二等分線であり辺BCと垂直に交わっている。この時、△ABCは二等辺三角形であることを証明せよ。
証明問題を解けるようになるために
最後の例題は結論を少しだけ難しくしてみました。ただ、点が伸びなくて悩んでいる人もいると思います。そのような人向けの話ですが、経験上「どういう条件を満たせばその図形になるのか」は覚えておいた方がいいです。今回は二等辺三角形にしましたが、「どういう条件を満たせば二等辺三角形になりますか?」という質問に答えられますか?二等辺三角形になるための条件は4つあります。
覚えておいて損がないのは「平行四辺形」です。辺の性質もですが、「特に対角線について」は押さえておきたいですね。証明以外の問題でも使ったりします。
(証明)
(a)と(b)において、
仮定より (c)=(d) ……①
(e)=(f) ……②
共通な辺なので (g)=(h) ……③
①、②、③より(i)から
(j)≡(k)
合同な図形では対応する(l)が等しいから
(m)=(n)
よって2つの(o)が等しいから△ABCは二等辺三角形である。 (証明終)