中学2年生の数学の復習(連立方程式②:食塩水の濃度と速さ)
週末は冷え込むみたいですね。この暑さから急な気温低下は体調に響きやすいので指導する側も、生徒側も注意しないといけません。
前回分けたのでその続きです。連立方程式を使う文章題はいくつかありますが、苦手な人が多そうな「濃度(食塩水)」「速度」の2つに限定しました。とはいえ紹介するのはあくま「この問題、実はこう考えると簡単なんですよ……」という攻略法なので全種類は紹介しない(そもそも平均点以下の人向けの話なので)のでご注意ください。
前回はこちら
中学2年生の数学の復習(連立方程式①:基本部分) - 塾講師が数学をやりmath
濃度の問題(出典:明治大学付属明治)
容器Aには濃度a%の食塩水100gが、容器Bには濃度5%の食塩水bgがそれぞれ入っている。このとき、次の各問に答えよ。
(1)容器Aに45gの水と5gの食塩を入れると、濃度12%の食塩水になった。このときのaの値を求めよ。
(2)(1)で作った食塩水に容器Bの食塩水を混ぜ合わせると、濃度8%の食塩水になった。このときのbの値を求めよ。
解説
★解く上で必要な知識
食塩水全体に対する食塩の割合をパーセントで表したものが濃度です。
(1)
イメージ図
今回の問題のように、混ぜるだけの問題は赤①で書いた所が分かれば解けると思います。解けない場合でも、解説を読めば分かるのではないでしょうか。
食塩水の濃度の問題は個人的には3種類あると考えていますが、この形式の問題は一番簡単なので自分で図を描いて考えてみましょう。
上で書いたように、濃度とは食塩水全体に対する食塩の割合をパーセントで表したものです。つまり
(食塩水の量)×(食塩水の濃度)=(食塩の量)
になります。a%はa/100のことなので食塩の量はこの式よりa(g)です。
ここに水45g食塩5gいれると食塩水は150g、食塩は(a+5)gになりますね。今、この濃度が12%になったので
150×0.12=a+5
となります。これを解いて a=13 ……(答)
(2)
(1)と同じように考えます。
容器Bに始めにふくまれている食塩の量はb×0.05=0.05b(g)です。
ここに(1)で作った食塩水を混ぜ合わせると食塩水の量は(150+b)g、食塩の量は(18+0.05b)gになり、その濃度が8%だから
(150+b)×0.08=18+0.05b
となります。これを解いて b=200 ……(答)
速さの問題(出典:駒澤大高)
A君とB君の家は直線状にあり、4.2km離れている。そして、A君とB君の家の間に駅がある。A君、B君が朝8時に駅でおちあう約束をして、同時に家を出た。A君は徒歩で毎時4kmの速さで、B君は自転車で毎時15kmの速さで駅に向かったところ、A君は定刻より3分遅れ、B君は定刻より3分早く着いた。A君およびB君の家から駅までの距離をそれぞれ求めよ。
解説
距離[km]=時間[時間]×時速[km/時間]を使います。「み」「は」「じ」で学んだか「き」「は」「じ」で学んだかの違いはあると思いますがやっている事は同じです。
A君の家から駅までの距離をx[km]、B君の家から駅までの距離をy[km]とします。
距離の合計から
x+y=4.2 ……①
もう一つの式は「家から駅までかかった時間」に注目します。「時間」なので「道のり÷速さ」ですね。そしてこういう問題で大事なのが単位を揃える事です。そこは最後に触れる事にして、2つ目の式ですが問題文に「A君は定刻より3分遅れ、B君は定刻より3分早く着いた」とありますね。これが2つ目の式になります。
x/4 - 3/60 = y/15 + 3/60 ……②
式①、②の連立方程式を解いてx=1.2[km]、y=3[km] ……(答)
単位を揃えることを意識しよう
速さの問題の他に、密度や力でも単位を揃える事はとても大事な事です。その理由はかけ算やわり算は数字どうしだけではなく、単位どうしでもする事ができるからです。そのため学校で単位換算を学ぶわけですね。