中学1年生の数学(関数とは?、変域、比例)
関数とは?
抽象的な表現をすると、「二つの文字があって、その二つの文字の関係を示すもの」が関数です。
例を挙げてみましょう。
・青森県→東北地方
・千葉県→関東地方
・佐賀県→?
みたいな関係があるとき、「?」には何が入るでしょうか?流れで予想できると思いますが、「九州地方」が入ります。左側の文字が右側の文字になるためには、「左側の文字がある地方は」という変換をする必要があります。ではこの続きで
・〇〇県→△△地方
を考えてみましょう。このままだとどちらも埋まりませんね。しかし、「都道府県が決まれば△△地方は決まる」事が分かります。このような時、「都道府県は△△地方の関数である」と言います。
これを数学の教科書に書いてありそうな表現で書いたものが「xの値が決まる時、yの値は1つに決まる関係」になります。「yはxを使って書いた式になる時の事」とも言えそうですね。
変域
空の水そうに1分間に3[L]ずつ水を入れていき、入っている水の量をy[L]とします。1分後は3[L]、2分後は6[L]、3分後は9[L]、4分後は……となりますね。
ではx分後は何Lの水が入っているでしょうか?1分間に3[L]ずつ増えるので、x分間では3x[L]増えているはずですね。
この「色々な値をとる文字xやyを変数」と言います。
この逆を考えてみます。水そうに30[L]の水が入っているとして、1分間に3[L]ずつ水を抜いていきx分後に残っている水の量をy[L]とします。
0分後は30[L]、1分後は27[L]、2分後は24[L]、3分後は……と考えていきます。3[L]ずつ減っていくので、9分後は3[L]、10分後は0[L]ですね。では11分後はどうなるでしょうか?そのまま計算すれば-3[L]ですが、「-3[L]の水があります!」と言われても現実では困ると思います。空のペットボトルを渡されて「-500[mL]入ってるからこれあげる」と言われているようなものですね。
つまり、「10分後以降は考えなくて良い」「0[L]以下は考えなくて良い」わけです。
まとめると、時間は「0分後から10分以内まで」水は「30[L]から0[L]以内まで」考える事になります。この「変数の値の範囲を変域」と言います。「その値を含む場合は不等号≧、≦」「その値を含まない場合は>、<」を使います。挙げた例を用いると
時間 は 0≦x≦10 、 水 は 0≦y≦30
となります。
余談ですが自分が中学生の時、この分野を学んだ時塾の人と「不等号のこれ(>,≧,≦,<)って顔文字に見えるよね?」みたいな話をしてたのを今でも覚えています。
比例
yがxの関数で、xとyの関係がy=axとなる時、「yはxに比例する」と言います。y=axのaを比例定数と言います。
比例の性質
1. xの値が2倍、3倍、……となる時、yの値も2倍、3倍、……となる
yはxに比例している場合、y=axと書く事ができます。今、a=1としてみましょう。
y=x
ですね。ではx=1の時、y=1ですね。ではxのみに1の2倍である2を代入してみると
1=2
となります。「"="はどちらも同じである必要がありますが、このままだと同じにはなりません」。なのでyにも1の2倍である2を代入する必要があります。
実際に値を代入してみると、「そうなるよなあ」となる性質だと思います。
2. 比例では対応するxとyについてy/xの値が一定で、比例定数aとなる。
教科書だと「ただしy/xは0ではないとします」みたいな条件が書いてあると思います。書いていないと比例定数aが「定数にならない」というおかしな話に。
次はa=2として、「y=2x」で考えてみましょう。
x=-2の時、yはy=2×(-2)より-4です。y/xは計算すると2、これは比例定数と同じです。
xの値を変えていくつか試してみるとy/xは「x=0の時」以外は必ず2になる事が分かります。
比例の式を求めてみよう
例1. yがxに比例し、y=10の時x=5である。比例定数を求めよ。
例2. yがxに比例し、y=10の時x=5である。yをxの式で表せ。
みたいな問題、見たことがあると思います。解き方はとても単純です。
yがxに比例するので、
y=ax
と書けるはずです。そして、例ではy=10の時x=5らしいので代入してみると
10=a×5
=5a
となります。これをaについて解くと
a=10÷5
=2 (例1の答え)
ですね。つまり、
y=2x (例2の答え)
となります。まとめると
①比例するのだから「y=ax」は満たすはず
②x、y、比例定数のどれかを代入してみる
③分からない部分は計算する
の流れで解く事ができます。