中学2年生の数学(1次関数の利用:動点の基本問題)
2018.11.18 更新
はじめに
1辺の長さが1cmの正方形の面積を1平方センチメートルといいますが、1「cm^2」と書きます。
動点の例題と1次関数の文章題での考え方
AB=5cm、AD=10cmの長方形があり、点Pは点Aを出発して毎秒1cmでA→B→C→Dの順で進む。x秒後の△APDの面積をycm^2とする。横軸をx、縦軸をyとしてグラフを描きなさい。
動点問題のポイントは2つ
1. 動く点は毎秒何cm動くか
2. x、yは何を表すのか
特に1は間違えるとxの変域も違ってしまい、その次にあるグラフの問題も間違うことになるので「最初に(動く)点は毎秒何cm動く」部分に線を引くようにしましょう。
上の図は、2年生で1次関数を勉強して応用問題をやる時に最初の方で出てくると思います。この問題に限らず「図があってグラフを描け」というのを見て「あ、これ難しいからやらない」と思ってる人に訊きますが、「その飛ばした問題は本当に難しい問題ですか?」
1次関数の文章題で最初に考えることは、「何がxで何がyなのか」です。つまり、問題文を読んでみる事が大事になります。
その次に注意したいのは、「そのyの式はいつもそう書けるのか」です。xとyは基本的には変数なので変化していきます。
つまり1次関数の文章題は
1. 何がxで何がyなのか見てみる
2. xとyが分かったならyをxの式で書いてみる
3. yの式はいつもそう書けるのか考えてみる
4. yの式が書けたならグラフを描いてみる(問題で使うなら)
の流れで大体は解く事ができます。
ではこの例題を考えてみましょう。
△APDの面積がyなので、
y=底辺×高さ÷2
ですね。では、△APDの形状の変化を見てみましょう。
1. 点Pが辺AB上にある時
最初に出した図みたいな状態になっています。
2. 点Pが辺BC上にある時
こんな状態になっています。
3. 点Pが辺CD上にある時
点Pが辺AB上にある時みたいな感じですね。
4. 点Pが辺ADにある時
△APDが存在しないので考えません。
点Pが辺AB上にある時から、底辺を辺APと考えたいところですが辺BC上にある時に辺APを底辺とするのは難しそうなので、辺ADを底辺としてみましょう。
点Pが辺AB上にある時、yは
y=AD×AP÷2
で計算できます。AD=10、AP=xなので計算すると
y=5x ……①
となりますね。この式はxがどんな数でも問題ないでしょうか?
点Pが辺BC上にある時、yは
y=AD×AB÷2
で計算できます。「Pが移動すると三角形の形変わるような」と思うかもしれませんが三角形の面積は底辺に高さをかけて2で割ると求まりますよね。この場合、底辺は辺ADで高さは辺ADから点Pまでの距離ですが、その距離は三角形の形が変わったら変わっているでしょうか。同じですね。これが「等積変形」の考え方です。
計算すると
y=25 ……②
となりますね。辺AB上に点Pがある時のyの式と違うものが出ました。
点Pが辺CDにある時、yは
y=AD×DP÷2
で計算できます。単純に考えると「長さ5cmの辺から毎秒xcm進む点が移動するから5-xcm」となりそうですが点PはA→B→Cと毎秒1cmで移動しています。つまりxは5+10で15以上になっていますね。なので「5-xcm」だとこの問題ではおかしい事になります。
上の図で、赤が点Pが移動する部分、青ば移動した部分です。つまり、「DPは赤から青を引いた長さ」になるわけです。よって赤は5+10+5、青はxなのでDPは20-xとなりyは
y=10×(20-x)÷2
となります。これを計算すれば
y=100-5x ……③
となりますね。また違うyが出てきました。
では、グラフを描く前に求めた3つのyについて考えてみましょう。
①は「点Pが辺ABにある時」としています。②が「点Pが辺BC上にある時」としています。③は「点Pが辺CD上にある時」としています。なので考える事は「xはいくつの時に式が変わっているか」です。
点Pは毎秒1cmずつ進むので、x=0からx=5までの間は辺ABにいる事が分かります。x=5の時からx=5+10=15の時は辺BC上にいる事が分かります。x=15からx=20の時は辺CD上にいる時が分かります。これをグラフを描く時に使います。
グラフを描いてみると上の図のようになります。