塾講師が数学をやりmath

どこかの塾で働いている人のブログです。

中学生の数学(個人的に自習する時のNG行動5選)

2018.11.19 更新(余計な部分を削除、一部加筆)

 自習する時にしてはいけない、いない方がいい行動を5つ紹介します。とはいえ個人的な理由によるものではありますが……。

 

1. 正誤は別として、自分で考えた解答をすぐに捨てる事

 個人的には一番しない方が良いと思っています。理由は日付を書いておけば「この時の自分、こんなにできなかったのか」とその後に自分の成長を実感できるのと「こういうミス多いな」と自分で確認できる事の2つあります。よく「問題はノートに解こう」と言う教師がいると思いますが、その理由はこの2つかなと個人的には考えています。

 

2. 間違えた(できなかった)部分を別の色で書かない事

 「自習とは自分の力で学習、練習する事」です。「出来た事と出来ない事を区別しない」のははっきり言って時間の無駄です。他の人からアドバイスを「あ、そういうことか」と思ってそのまま黒のシャープペン(鉛筆)で修正するのは本当に止めましょうその時アドバイスを受け納得できたかもしれませんが、では来月同じ問題を解く事ができますか?

 書き分けない人とかいるわけない、と思っていましたが今日初めて出会ったので書いておきます。

 

3. 問題文を読まずに分からないと決めつけ何もしない事

 問題文にはキーワードが存在しています。何がそれになるかは分野にもよりますが、「ここ重要そう」と思った部分に線を引かない、「この部分は要はこういうことかな?」と考えもしないのは数学ではなく国語の話になるので文章題が苦手な人はまず問題文をきちんと読んで重要そうな部分に線を引きましょう、本当に(数学を教えていたら国語になっている事が最近あるので)。

 

 自分は数学ができる中学生(90点以上安定)とできない中学生(40点前後)の子どちらも指導していますが、文章題を解く時に文章を読まない子は例外なく後者です。文章題では文章を読む、という当たり前のことをやらず「分からない」と自分で成長の可能性を無くしているのは自分自身です。

 

4. 時間を決めて問題を解かない事

 テスト終わった直後なら分かりますが、テスト前にもなって大問1つ解くのに20分30分かけるのはその問題を解く以前の話になるので、時間を決めて解くようにしましょう。

 

5. 分かったつもりにしない事

 自習だと自分で答え合わせをすると思いますが、答えを見て「そういうことかー」で済ませていいのはその問題を他人に説明できる人のみです。「ん?」と思った事は自分で調べたり、その辺を歩いている教師を捕まえて質問するようにしましょう。

 数学なら答えと違う方法だけど答えは同じ、という事は割とあると思います。そういった時は教師や数学が得意な同級生などと話してみましょう。複数の方法で解けるというのは答えの確認をするのに役立ちますよ(まあ計算ミスをすると大変ですけど)。


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佐鳴(数学)と塾技(数学)のレビュー

 時間を用意しつつ解いてた問題集がようやく終わったのでレビューしようと思います。どっちも見た事ある人はいると思いますが……

 時々辛口になります、ご理解ください。

 

 大きさは26cm×20cm×2cmぐらいですね。

   f:id:Akina03math:20181114115817j:plain

 

この問題集が向いていない層

 学校の問題集などにある基本的な部分の話は出てこないので、「自分で調べることをしない層」には向いていません。

 

佐鳴(数学)のレビュー

▲長所

 ・問題毎に「基本事項」「考え方」などが書かれていたり、A~Cとレベル分けもされていてこの問題集を使える層が広い。

 ・学校で使っている問題集で物足りない人にはお勧めしやすい。

 

▼短所

 ・強いて挙げるなら中学生の数学全てが分野別にまとまっているので、中学1年生が使うには面倒に感じてしまいそうな所。

 

塾技(数学)のレビュー

▲長所

 ・中学生の数学が学年別でまとまっているので、数学が好きな中学1年生にもお勧め出来る所。

 ・ポイントがしっかりまとまっているので成績をさらに伸ばしたい(80点以上で安定したい)人には丁度良い所。

 ・例題付き公式集があるので時間が無い時にでも触れる事ができる所。

 

▼短所

 ・贔屓無しで、この問題集のみでの短所は無いと思います。佐鳴と共通している部分になりますが、「解説があっさりしている」ので質問できる人がいた方が良いと思う所、ぐらいかと。

 

値段相応の内容であるか

 高校受験は10年ぐらい前に終えて、今は個別指導の塾で数学をメインで教えていますが「どちらも高校受験の時に欲しかったなあ」と思えるぐらいには値段相応の良い問題集です。自分の頃とは若干学習内容が変わっていますけどね。

 佐鳴は塾技よりは解説がしっかりしていてこの問題集を使えそうな人は多そうですが「たくさんの問題を解けばそれだけ成績があがるか」と言われたら「そんなことはない」のが現実なので、まずは学校の問題集をしっかりやる事が大事かなと思いました。

 



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中学2年生の数学(内角の和、外角の和の復習)

 風邪が流行っているみたいですね。うがい手洗いなどの予防はしっかりやりましょう。自分は風邪になっても「どうしたらあの子はやる気出すのかなあ……」の方でうなされそうですが……。

 

 そんなこちらの事情はさておき、本題。

内角、外角

          f:id:Akina03math:20181114110202j:plain

 上の三角形で、赤色の角度を内角、青色の角度のように各辺の延長した線と隣の辺との角を外角といいます。

 

内角の和

 三角形の内角の和は180°です。四角形の内角の和は360°(三角形を2つ合わせた図形、180°×(4-2))、五角形の内角の和は540°(三角形を3つ合わせた図形、180°×(5-2))……と考えていくとn角形の内角の和は180°×(n-2)(三角形をn個合わせた図形、180°×(n-2))ですね。

 n角形の内角の和が求まると、その和をnで割れば内角の1つの大きさが分かります。

 

外角の和

 n角形の外角の和は360°になります。

 

多角形の外角の和がいつも360°になることの説明

        f:id:Akina03math:20181114111705j:plain

 三角形の内角を赤、外角を青で塗ると上の図になることは分かると思います。では、この時の外角の和(青色の部分の合計)を考えてみましょう。

 上でも書きましたが、「1つの青の角度1つの赤の角度=180°」ですね。今は青色、

赤色の角度どちらも3つあるのでこの式の両辺に3をかけてみる

 3つの青の角度3つの赤の角度=540°

となります。外角(青色の角度)の和を知りたいですが、3つの赤の角度は三角形の内角の和なので180°です。つまり

 3つの青の角度+180°=540°

となっているので、180°を右辺に移行すれば

 3つの青の角度=360°

となり、3つの青の角度の和、つまり外角の和が360°を求める事ができます。

 

 これを四角形、五角形、六角形、……としても結局は

 外角の和n角形の内角の和(=180°×(n-2))=180°×n

 外角の和=180°×n-180°×n+180°×2

     =360°

となりnがいくつでも結局360°になることが分かります。

 

覚えておくべきこと

 計算が苦手な人には「うっ」となる内容な気もしますが、「結局何を覚えておけばいいのか」をまとめると

 ・n角形の内角の和は180°×(n-2)

 ・n角形の外角の和は360°

 ・内角の1つと外角の1つの和は180°

の3つになります。

 角度の問題は「この問題ではこういう補助線を引く」という考えも大事になってくるので「あ、これならできそうだし解かなくていいか」はなるべく止めて問題を見たらどういう補助線を引けばいいかすぐに思いつくようにはしたいですね。

 



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中学生の数学(比例・反比例、1次関数で基本部分のまとめ)

 2学期期末テストの範囲が出た中学校も出て、進度が遅めの中学も1次関数が範囲に入っていそうなので1次関数の中でも基本的な部分の要点(つまり覚えておかないと問題は解けない可能性が高い)を改めてまとめようと思います。

 

 基礎の基礎のみ書いたため省略している部分がとっても多いので、この内容を覚えただけで済ませず問題を解くようにしましょう。

 

以下、「関数」は「yはxの関数である」とします。

1次関数の式(2年生向け)

 「y=ax+b」と書く事ができます。「xとy」を「変数」、「a」を「変化の割合」「傾き」「比例定数」、「b」を「切片」「定数部分と言います。

 

比例・反比例(1年生向け)

 「xが2倍、3倍、……となる時yも2倍、3倍、……」が成り立つ時、「yはxに比例する」と言います。式は「y=axで、「a」を「比例定数」と言います。

 「xが2倍、3倍、……となる時yは2分の1倍、3分の1倍、……」が成り立つ時、「yはxに反比例する」と言います。式は「y=a/xで、「a」を「比例定数」と言います。

「反比例ってy=a/xだっけ?y=x/aだっけ?」となる人は「a=xyが反比例」と覚えてしまいましょう。「yの式で答えよ」と書かれていないなら「a=xy」でも大丈夫だと思います。

 

グラフの描き方

 ・比例のグラフは原点を通る直線なので、通る点を1つ以上描いて線を引きます。

 ・反比例のグラフはx軸、y軸とぶつからない1組の曲線なので、通る点を最低でも6つ(1本につき3点以上)描いて曲線を描きます。

 

 ・1次関数のグラフは直線なので、通る点を2つ以上描いて線を引きます。

 

グラフから式を求める

 ・比例、反比例は「通る点の座標を1つだけ比例の式(反比例の式)に代入する」と求まります。

 

 ・1次関数は「通る点の座標を2つ1次関数の式に代入して、aとbの連立方程式を解きaとbを1次関数の式に代入する」と求まります。

 

直線の式を求める(2年生向け)

 「次の1次関数の式を求めよ。」みたいな文が描かれている問題はいくつか種類がありますが、基本は「y=ax+bに分かっている部分を代入するだけ」です。

 覚えておかないと解けないと思うのは、「直線y=~に平行」と書かれている問題です。1次関数の問題で「直線に平行」とは「傾きが同じという事です。

 

以前書いた記事

akina03math.hatenablog.com

 

akina03math.hatenablog.com



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中学2年生の数学(証明に発想力はあまり必要ないという話)

 期末テストが近づいてきて、同時に風邪が流行っているようです。生徒側ももちろんですが、教える側も体調管理はしっかりしないといけませんね。

 

 では本題。

 

 証明の問題を解かせている時に、終わっていないのに手が止まっている子を見かけます。書き方が分からない習ったばかりならともかく、テスト範囲に入るなら書き方を早いうちに覚えて、色々な問題とやっておきたいですね。

 問題の中には仮定が式のみなら分かりやすいですが、文字のみの時もあります。問題で描かれている図に描きこめば多少証明を書きやすくなりますが、最初から手を動かせない場合は

 ①まずは結論を見て合同だと言いたい2組の図形を決める

 ②2組の図形を決めたら仮定を描きこんでみる

の2つがポイントでしょうか。

 次に、仮定を描きこんでそのまま合同だといえたら楽ですがそんなに甘くはありません。大体そこから1つか2つ条件を考えないといけませんが、その条件が思い浮かばない場合、

 ③合同条件から言わないといけない条件を考えてみる

がポイントになります。例えば「2組の辺が等しい」ことが仮定だとします。ここから合同であることを言うためには「2組の間の角の大きさが等しい」か「残りの1組の辺が等しい」どちらかを言う必要がありますね?「2組の角の大きさが等しい」なら「その角度にはさまれている辺が等しい」ことを言えばいいわけです。「1組の辺と角が等しい」なら……も同じようにある程度はしぼれます。

 

 そういう理由で、証明に発想力はあまり必要ありません。証明と言えば基本は「図形を2組書く→仮定とか性質で3つの条件を書く→合同条件を書く→結論」の流れですが、「この流れの最初から分からないなら後ろから考えればいい」わけですね。

 

 自分は証明でつまっている子を教える時はいつも「結論をこれだけど、これを言うためにはどことどこが合同であればいい?」「仮定を図に描きこむとこうなるけど、あと何を言えば合同になる?」の2つを言うようにしています。



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中学1年生の数学(いろいろな方程式)

 今の時期に1年生の最初の頃に習う事を書いても意味ないのでは、と思っていましたがこの前中学2年生が「x/2 = 3」みたいな式を解けなかったので簡潔に復習として残しておこうと思います。

 「負の数って何!?」でない限り、苦手な原因は小学生で習った範囲にあります。変なプライドは持たず、小学校で使った教科書やドリルも見直すのもいいと思います。

 

方程式の解き方

 「xの方程式」と書かれている場合、計算して「x=(それ以外)」の形にすれば解く事ができます。xの前に何もない場合(正確には1がありますけど)はいいですが、最初から何もない問題はあまりありません。

 以降、方程式はxの方程式として、問題で最初からxにかけられているものを係数と呼びます。

 

カッコを含む方程式

 カッコを外してから計算します。基礎的な問題で見かけるのは「{ }」と「( )」の2つでしょうか。先に「( )」の中から計算しましょう。

 

係数が小数である場合

 そのままでも計算は可能ですが、計算ミスする可能性があるので小数をなくすために係数が0.1や0.7などなら両辺に10を、0.01や0.23などなら両辺に100をかけましょう。

 

係数が分数である場合

 小数と同じように、係数を整数(-2や0、3など)にするために両辺に数字をかけます。かける数字は分母の公倍数です。かける数字の理想は最小公倍数ですが、分母の数を全てかけた数をかけても問題ありません(2分のxと3分のxがある場合、6ではなく12をかけても計算は一応可能)。

 

係数が整数である場合

 整数が邪魔なので、両辺を整数で割ります。

係数が分数である場合の補足

 例えば「2分の1」とは「あるものを2つに分けたうちの1つの事」です。この時、あるものは「あるものの2分の1」を2つ合わせた物になりますね。「3分の1」「4分の1」なども同じです。

 では、「2分のx」とはなんでしょうか?そのまま考えると「xを2つに分けたうちの1つの事」です。xは「2分のx」を2つ合わせたものになりますね。「3分のx」も同じです。このように考えると「x/2 = 3」が「x=6」になるのは納得できると思います。

 

確認問題

               f:id:Akina03math:20181108111415j:plain

 

 



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中学生の数学(自分で勉強する時にやった方が良い5つの話)

2018.11.12 更新

 期末テストが近づいてきたので少し調整。

 その1 分かる部分だけでも文字や図にしてみよう(最重要)

 解けなくてもいいので、とりあえず問題文から分かる事を文字として書いてみたり必要なら図や表、グラフを描くようにしましょう。「自分はここまでは分かっている」事を分かりやすく表現できます。

 このやり方は連立方程式の文章題を考える時にも有効です。

 すぐに分からないと言う子に限って解く時に何もしていない可能性が高いです。分かっている事を図など使ってまとめたりするぐらいはしましょう。

 

 その2 きちんと問題を解くようにしよう

 「これならできそうだし面倒だから解かないでおこう」は時間の無駄なので止めましょう。例題とかだと答えがすぐ書いてあったりしますが「そうなる理由を説明できない」ならきちんと解いた方がいいです。

 まあ、中学生だと一部の公式はそうなる理由が中学の数学範囲では説明できないはずなので教科書に書いてある公式を全て説明できる必要は生徒側にはないのでこだわりすぎる必要はないかと思います。

 

 その3 しっかりと「答え合わせ」「やり直し」をしよう

 問題を解いて終わったら答えを見て丸付けをして、間違ったところは答えを赤字で書いたりして……という感じで勉強する事が多いと思いますが答え合わせの時に正しい答えを赤字で書くだけで終えるのはもったいないです。間違えたのには理由があるはず(「問題が何言ってるのか分からなかった」「式を書くのに使いそうな部分は分かるけど式が作れなかった」「計算を途中で間違えた」など)なので、答え合わせの時に正しい答えを赤字で書いて、間違えた部分はそうなった理由を考えてみましょう。その理由を無くすことが「復習」であり、全ての問題で終えたら「理解できた」といえます。

 ここまでやった結果分からなくての質問なら先生は他に優先しないといけない事がある時でもない限り歓迎してくれると思います。

 

 その4 理解した「つもり」を止めよう(点を伸ばしたいなら)

 個人的には一番大事な事だと思っていますが、図などを描いている前提なので。満点を目指さない限りは理解(いつやっても全問正解できる状態)する必要はありませんが、理解した「つもり」が原因で他の単元も分からなくなる、というのは数学に限らずよくある話です。

 

 その5 解けたら見直すようにしよう

 「方程式」なら「求めた数は、解いた方程式に代入しても成り立つ」ので実際に代入してみましょう。成り立たない場合はどこか間違っています。

 「関数」なら「求めた関数が通る点が分かっているなら、実際に代入して成り立つ」ことを確認しましょう。グラフを描く問題なら、1次関数なら傾きが正なのにグラフが右下がりになっているならその時点で違いますね。グラフから式を求める場合でもグラフが右下がりなので傾きが正なら違いますね。

 「角度」なら「違う補助線を使って考える」のも方法の1つです。

 


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